関学グローバル・ゼミナール報告(2021年度後期)

Update お知らせ 関学グローバルゼミナール

関学グローバル・ゼミナール報告(2021年度後期)

 

関学丸の内講座の一環として2021年度後期に特別企画「グローバル・ゼミナール」をスタートしました。毎年度前期と後期、各期3回開講の予定で、定員15名です。

 21年度後期は、「米中露の確執」をテーマに専門家を招き、2時間半にわたり議論しました。ウクライナを巡る緊張が高まり、2月24日にロシアがウクライナを侵略したことで、この3国の確執は極めて緊迫感を伴う問題となっています。

3回の講師と各回の演題、そして主宰者(小池)によるポイント紹介は以下の通りです。それぞれ3つにまとめました。これらは講義内容の要約ではなく、あくまで主宰者の判断で選んだポイントであることをご理解ください。

 

 第1回(2022年1月29日):井上一郎・関西学院大学総合政策学部教授「中国の思惑とそのリスク」
1.中国のGDPは日本の3倍に、そのパワーと意識の変化を認識する必要がある。
2.中国は「和平演変(平和的手段によって体制崩壊)」を警戒している。
3.台湾問題:今すぐ中国が侵攻することはないだろう。中国にとって「戦わずして勝つ」が理想である。

 

 第2回(同2月19日):坂井光・日本経済新聞上級論説委員「ロシアの戦略思考」
1.かつてプーチンにインタビュー。頭脳明晰で、その記憶力にも驚かされた。
2.中露はお互いに相手を利用する関係。ロシアによる軍事侵攻があっても、中国は黙認か。
3.プーチン後継はKGB閥やサンクトペテルブルク閥と思われる。

 

 第3回(同3月19日):刀祢館久雄・日本経済研究センター研究主幹「米国の中露両面作戦」
1.ウクライナ情勢の展開についてはロシアと同様、米国にも誤算があった。
2.バイデン・ドクトリンはオバマの延長か。軍事介入は限定的で経済制裁に傾斜、「内向き」も続く。
3.過度な対中シフトは修正されよう。米国の対中・対ロ対応は、2正面か1.5正面か。

 

 ウクライナ情勢の先行きは不透明ですが、現時点における主宰者にとっての教訓を、やはり3ポイントでまとめました。
1.希望的観測は厳に慎むべきである。ロシアの兵員増強に「交渉を有利に進めるための脅しに過ぎない」との理解には、〝希望バイアス〟とも言える判断の偏りがあったのではないか。
2.プーチンのこれまでの主張に賛同するかどうかは別として、その内容をきちんと分析しておかなければ、どう対応すべきかについて判断を誤りかねない。
3.同様のことは東アジア情勢においても言える。特に中国、北朝鮮の最高指導者の言動にはこれまで以上に注意を払わなければならない。

 

 2.24は歴史に刻まれることになりそうです。この日を境に、世界の秩序は大きく変わったとの見方もあります。今後も、その変質を正確に読み取り深く理解し、日本の政策にいかす努力を続けなければなりません。

 

2022年3月22日 GPRC代表・関学フェロー 小池洋次

関学グローバル・ゼミナール報告(2021年度後期)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »