第15回グローバル・カフェの報告

Update お知らせ グローバルカフェ

第15回グローバル・カフェ(2020年9月12日オンライン開催)のポイント

スピーカー:関西学院大学総合政策学部教授(GPRC研究員)井上一郎先生
講演タイトル:「米中関係を考える」

 

Point1 これまでの米中関係

・1950年~53年 朝鮮戦争
・1972年 ニクソン訪中、1979年米中国交正常化
・1989年 天安門事件、冷戦の終焉の影響で関係がギクシャクしてくる。
・2000年代前半 ブッシュJrの代で米中関係は安定(米中協調)⇔日中は緊張

 

Point2 これまでの米国の関与政策と対する中国の反応

米国の政策は、ロシアに対しては封じ込めであったのに対し、中国へはエンゲージメントだったとされている。それは中国が、民主化して米国の仲間になるのではないかという期待からであった。これに対して中国の米国への思いは、チベットや台湾などの問題に介入してくることに煩わしさを感じており、また周囲が民主化していく中「自分たちもそうされるのでは?」という不安を抱く。その一方で分厚い経済・社会面での交流もあり、対米関係の安定化は中国にとって大事なものであった。

 

Point3 米中対立のはじまり~現

・「韜光養晦(とうこうようかい、今は静かに豊かになるのを待つ)」時代の終焉
→現状維持勢力に対する現状変更勢力の登場
・2008年 リーマンショックと中国の対外政策強硬化
・習近平登場により、大国的、強権的に。
中国としては、トランプが大統領になれば、ヒラリーがなるよりは中米交流はやりやすいと思われていたが、現実はそうではなかった。トランプ政権は中国について「米国から知財を盗み大きくなった国」とみており、強く牽制するような姿勢を見せている。これに対し中国は自身の「発展する権利」と「自由貿易の遵守」を掲げており、米中貿易摩擦が激化。

 

Point4その他方面へ対立面が拡大

米中貿易摩擦から、他ジャンルへと対立が拡大している。
・軍民両用技術、情報通信技術
・交流の制限(学術、留学生、孔子学院、メディア)
・新型コロナ肺炎
・香港問題(反政府デモと国家安全維持法導入)
・イデオロギー対立 初の共産党批判

 

Point5 これからの米中関係

米国の影響力が低下と中国の台頭が指摘されるが、長期的に見た場合の米国の強靭さもまた無視はできない。中国が完全無欠かというとそのようなことはなく、もちろん脆弱性もあり、中国もこれまでと同様とはならないだろう。より強権的なほうへ変化する可能性もあれば、今より軟化する可能性もあり、一概に「これからこうなるだろう」とは言えない状況。
(文責:事務局長 福田聡菜)

 

コメント

今日の新型コロナウィルスの状況を受け、今回は初のZoomでの映像配信を用いてグローバル・カフェの開催となりました。オンラインでどこからでも参加可能との手軽さからか、今回は参加希望115名もの申し込みがあり、同時時間の視聴者数は85名と過去最高になりました。便利な時代になりましたね。参加頂きました皆様、本当にありがとうございます。

さて、今回のトピックは米中関係でしたが、録音を聞き直してみると、参加者の方々からの質問は意外にもサイバー攻撃についてのものが一番多かった様に思います。思えば過去に開催したサイバー攻撃についての会は非常に人気があったような。気になる点は共通するという事でしょうか。
今も昔も情報は戦争において最も大事な要因です。「情報を制するものは戦を制す」という言葉もあるくらいです。サイバー攻撃に注目が集まるという点から、今や情報戦争を語る上において”インターネット”は、外せない要因になったと言ってよいでしょう。少なくとも20年前の日本では、インターネットの影響力について真面目に考える層は一部であったことは間違いなく、街行き交う人々の多くがそれを問題視している、というようなことはなかったはずです。でも今は違う。インターネットが身近になり、情報の取得が容易になり、また発信も簡単になりました。それに伴い一個人が、時には世界を動かしてしまう。一個人に同調し、それが集団となって大きなうねりとなり一つの世界の動きになる。それが容易になったのは良い意味でもありますが、悪い意味ではプロパカンダ活動を促進する面もあるわけです。今年の6月米国企業である、twitter社が中国政府よりのアカウントを新型コロナ関連で世論を不適切に誘導したとし、17万件削除したことは大きく報じられましたが、いまやSNSを通じての世論誘導は当然の流れになりつつあり、そしてそれもまた新たな情報戦争(サイバー攻撃)の一面と捉えることもできるかと思います。そう考えると米国が中国企業であるtiktokの締め出しに乗り出すのも頷けます。
今後米中関係が激化したとしても、日本は冷静であってほしく、そのためにはまず日本人一人ひとりが正しい情報の取捨選択ができなければならないと思う次第です。無暗やたらと流れてくる、真か嘘かわからないネットの海に漂う無限の情報に流されず、騒がず、騙されず・・・せめて踊らされないこと、それが大切であると、私は思います。(福田)

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