11/11開催グローバル・カフェ「朝鮮半島情勢と日本の課題」まとめ

お知らせ グローバルカフェ

2017年11月11日
グローバル・カフェ シリーズ「国際情勢を読む」
スピーカー:日本経済新聞編集委員・高坂 哲郎氏
講演タイトル:「朝鮮半島情勢と日本の課題」

 

Point1.北朝鮮情勢

◆米朝間の武力威嚇行為から見えた北朝鮮の弾道ミサイル技術の急成長
 ・初めてミサイルが発射されたのは1993年。
   発射したミサイルは「ノドン1」で、日本海へむけて発射された
 ・2017年8月29日、9月15日に発射された弾道ミサイルは北海道上空を通過。
   太平洋を目標とした弾道ミサイル発射実験:グァム攻撃のデモンストレーション
 ・新型ミサイル火星12は高度2000km到達後、落下速度はマッハ15以上
   上空2000kmまであがると重力加速度は高くなり、落下速度も飛距離も伸びる。
 ・技術の急成長の背後にはロシアの教育的・技術的支援
   優秀な北朝鮮の研究者をロシアに招き、教育や指導を行った。

 ・米は北朝鮮への牽制の手を緩めてはいないが、交渉のテーブルを閉ざしてはいない。
   →北朝鮮は核開発、弾道ミサイルの開発に意欲的
   (アメリカ本土に届くミサイル開発への強いこだわり)
 ・武力威嚇行為や経済制裁で北朝鮮は交渉のテーブルに果たして着くか。
  効率的かつ合理的な判断を北朝鮮がするか。
  今もこれからも、焦点は変わらずいかにして北朝鮮の核開発を止めさせるかにある。

 

 

Point2.2極化する世界

◆世界は「中国とロシアを中心とする強権体制国家」対「日米欧など民主国家+α」に分かれていると言える。
 ・ウクライナ危機後ロシアと欧米の関係性が悪化
 ・ロシアと中国の蜜月
 ・シリア介入に積極的なロシアと、長年に渡り台湾併合を目論む中国
   外への勢力拡大を目的とした攻めの政策をとる強権国家に対し、民主国家はやや不利な状態

 ・2極化する世界で民主国家の筆頭は米国。
  現在の米国大統領は経済に明るいが、安保にはあまり長けていない。
  国務省・国防総省の政治任用ポストが埋まらないままで今日に至る。
  今後同盟国としての不安要素になり得る可能性を否定できない

 

 

Point3.日本が取り組むべきこと

◆今の日本が取り組むべきことは、子供たちの命を守れる仕事を懸命にしなければならない。
 ・北朝鮮、中国、ロシアを近隣諸国とする日本は現在安全な状態だとは言えない。
 ・弾道ミサイルが飛んでくることを想定して早急な対策を用意する必要がある。

 日本人の意識の中に、日米安保や米国の傘によってこれまで守られてきたことによる安心感が少なからずある。憲法第9条によって日本は「戦争の放棄」、「戦力の放棄」をしているため、北朝鮮の武力威嚇に対して事前に手を打つことは出来ないし、国民のすべての命を守れるような高い戦闘力は持っていない。そこに平和国家日本と言われてきた由縁がある。もし北朝鮮が米国本土に到達するミサイル開発や核開発に成功した時、果たして米国は自国に降りかかる脅威より優先して、日本を守ろうとするだろうか。その安心感が揺らいだ時、「平和国家」たることが日本の弱点になりかねない。

 ・今年初めて日本でのミサイル避難訓練が実施された
  避難訓練を日本全土での普及・反復を行って、万が一の時に国民一人一人が正しく避難出来るようにすること。そのためには自治体だけでなく、教育機関や企業の単独訓練の実施が不可欠。

 

コメント

 今回のグローバルカフェの内容は今最もホットな話題「北朝鮮」についてである。
これまで何度も北朝鮮のミサイル実験は行われていたが、今年は特に人々の関心度が高いように感じる。弾道ミサイルが北海道上空を通過したことや、初めてJアラートが鳴ったことが話題性を高めたのかもしれない。Jアラートが鳴った時にTwitterなどで騒がれていたことから考えると、北朝鮮のミサイルへの脅威や不安が、より人々の生活に身近に感じられるようになったのではないだろうか。

 私は日々、日本人は大震災などの天災についての危機感はある程度持っているが、対テロや対他国からの攻撃への備えは十分でないと思っていた。仮に今テロが起きたり、ミサイルが飛んできたりしたとして、果たしてどれだけの日本人が正しく自分たちの命を守る行動を取れるのだろうか。一体どれだけの日本人が命を守る知識を有し、また活かせるのだろうか。今回の高坂氏の話を聞いて改めてそう考えさせられた。

 今月の7日、午前9時から午後2時の間に早稲田大学に対して爆破予告が有り、授業が休講したことが報道されていたニュースをたまたまリアルタイムで見ていたのだが、映像には多くの学生が閉鎖されたキャンパス前にいた。爆破されるかもしれないキャンパスのすぐ側に。テレビのインタビューに対し「本当に爆破されると思ってない」、「開講を待っている」、「今来て初めて爆破予告があったことを知った」と笑顔で答える学生達が映っていた。私はこれが今の日本の縮図だと思う。爆破予告があっても、ミサイルが発射されてもそれが現実になることを夢にも思わず、変わらぬ明日が当然続くと思っている。天災に対しての危機感はあれども、突然の理不尽な暴力への脅威に対する危機感はまるで持ち合わせていない証拠だ。もしこの時、本当に早稲田大学のキャンパスで予告通り爆発が起きていたとしたらどうなっていただろうか。門の前に集まっていた学生達、安全確認のために中にいた人達は無事で済んでいただろうか。実際に事が起こったその時、人々は口々に言うだろう。「まさかこんなことが本当に起きるなんて」と。

 こんなことでは北朝鮮の弾道ミサイルが日本へ向けて飛んできた時、日本の未来を担う子供達の命はおろか、自分たちの命すら十分に守れないだろう。2020年には東京オリンピックが開催されるが、この時日本へテロの矛先向かない保証もどこにもない。厳しい様だが、私には今のままではJアラートが鳴り響く中どうしたら良いかわからず、どこへ逃げれば良いのかと右往左往する人たちの姿しか見えない。

 そのような事態を避けるためにも、国と自治体が筆頭にたち、全ての教育機関や企業が、命を守るための訓練をどんどん日常的に行なっていくべきだ。明日突然平和な日常が変わってしまう可能性を、その時何をするのかを考える力を養うべきだと考える。日本に暮らす全ての人たちの生活に、対テロや対ミサイルの訓練が日常的に根付いた時、きっと人々は自分たちの命を守ることができる様になる。

 高坂氏の言う通り、私たち大人は子供たちを守れるような仕事をしなければならない。有事が起きるかもしれないという危機感を持とう。被害を最小限にするための危機管理能力を高めよう。そして、その時命を守るための正しい行動を取れるようにしよう。それがこれからの日本の未来を守る第一歩となるはずだから。

 

(文責:事務局長・福田聡菜)

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